生命保険金と相続税ガイド|非課税枠500万円×法定相続人
最終更新:2026-07-13
生命保険の死亡保険金は、遺族の生活を支える大切なお金です。「受取人が指定されているから遺産分割とは無関係」と言われますが、税金の面では別扱いになることがあります。ここでは国税庁の情報をもとに、死亡保険金にかかる相続税と、大きな非課税枠の仕組みを整理します。
はじめにお読みください。 死亡保険金は民法上、受取人固有の財産(遺産分割の対象外)です。しかし相続税では、亡くなった方が保険料を負担していた場合、「みなし相続財産」として課税対象になります。ここが混乱しやすいポイントです。保険金の請求手続きは生命保険金の請求を、税額全体は相続税の基礎もあわせてご覧ください。
1. 早わかり表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課税の扱い | 亡くなった方が保険料を負担 → みなし相続財産として相続税の対象 |
| 非課税枠 | 500万円 × 法定相続人の数(相続人が受け取る分) |
| 放棄した人 | 非課税枠は使えない(保険金は受け取れるが課税対象) |
| 人数の数え方 | 非課税枠の計算は放棄がなかったものとした人数 |
| 契約形態次第 | 相続税/所得税/贈与税に変わる |
2. なぜ「みなし相続財産」になるのか
死亡保険金は受取人が直接受け取るお金で、本来の相続財産(遺産分割の対象)ではありません。しかし国税庁は、その保険料の全部または一部を被相続人(亡くなった方)が負担していたものは、「相続等により取得したとみなされ」相続税の課税対象になるとしています(No.4114)。
つまり「遺産分割の対象ではない」=「相続税がかからない」ではない、という点に注意が必要です。
3. 非課税枠=500万円 × 法定相続人の数
死亡保険金には、相続税の大きな非課税枠があります。
国税庁:「500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額」(No.4114)
- 相続人が受け取った死亡保険金の合計が、この限度額まで非課税になります。
- 例:法定相続人が3人なら 500万円×3人=1,500万円まで非課税。
- これは相続税がかからない財産の一つとして定められています(No.4108)。
現金で相続するより、生命保険で遺したほうがこの非課税枠のぶん有利になり得るのは、この仕組みによるものです。
4. 相続放棄した人は非課税枠を使えない
ここが間違えやすい点です。
- 相続を放棄した人が受け取った死亡保険金には、非課税の適用はありません(国税庁「相続人以外の人が取得した死亡保険金には、非課税の適用はありません」)。放棄しても保険金自体は受取人として受け取れますが、その全額が相続税の課税対象になります。
- 一方、非課税枠の総額を計算するときの「法定相続人の数」は、放棄があっても「放棄がなかったものとした場合の相続人の数」で数えます(No.4114)。放棄者自身は枠を使えませんが、他の相続人が使う枠の人数には算入されます。
相続放棄そのものの効果・期限は相続放棄(原則3か月以内)をご確認ください。
5. 契約形態で税目が変わる
同じ「死亡保険金」でも、契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人の組み合わせで、かかる税金が変わります(国税庁No.1750)。
| 保険料負担者 | 被保険者 | 受取人 | 税目 |
|---|---|---|---|
| 被相続人 | 被相続人 | 相続人など | 相続税(みなし相続財産) |
| 受取人本人 | 被相続人 | 受取人本人 | 所得税(一時所得等) |
| Aさん | 被相続人 | Bさん(全員別) | 贈与税 |
ご自身の契約がどれに当たるかで、非課税枠の使えるケース(相続税)かどうかが変わります。証券で契約者・被保険者・受取人を確認してください。
ご注意(免責)
本ページは死亡保険金と相続税の一般的な解説であり、個別の課税関係・税額を判断・保証するものではありません。各制度は法令改正で変わることがあり、養子がいる場合の法定相続人の数え方など細かな規定もあります。実際の申告・課税判断は、国税庁の最新のタックスアンサー・税務署・税理士にご確認ください。相続税の全体像は相続税の基礎ガイドもご覧ください。