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遺言執行者の役割と選任|通知・財産目録・家裁の選任

最終更新:2026-07-13

遺言書に「誰に何を相続させる」と書いてあっても、名義変更や払戻しを実際に進める人がいなければ実現しません。その役目を担うのが遺言執行者です。裁判所・法務省・日本公証人連合会・民法の一次情報で、役割と選任を整理します。

要点: 遺言執行者は遺言の内容を実現するため相続財産の管理その他必要な一切の行為をする権利義務を負います。遺言で指定できるほか、いなければ家庭裁判所が選任(民法1010条)。就任後は相続人への通知・財産目録の交付が必要で、遺言による認知・推定相続人の廃除は執行者でなければできません。

遺言執行者とは

日本公証人連合会は「遺言執行者とは、遺言の内容を実現する者であり、遺言書で遺言執行者を指定することができます」と説明しています。民法上、遺言執行者は遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します(民法1012条)。預貯金の払戻しや不動産の名義変更、受遺者への引渡しなどを、相続人に代わって進められます。

選任(指定がないとき)

遺言執行者は遺言で指定するのが基本ですが、指定がない・就任しない場合の受け皿があります。

「遺言によって遺言を執行する人が指定されていないとき又は遺言執行者がなくなったときは、家庭裁判所は、申立てにより、遺言執行者を選任することができます」(裁判所)

申立てができるのは相続人・遺言者の債権者・受遺者などの利害関係人、申立先は遺言者の最後の住所地の家庭裁判所、費用は遺言書1通につき収入印紙800円分などです(裁判所)。

就任後の義務(通知・財産目録)

遺言執行者が就任すると、相続人に対する義務が生じます(2019年施行の相続法改正で明確化)。

  • 通知:就職後直ちに、その旨と遺言の内容を相続人に通知(民法1007条2項)。
  • 財産目録:遅滞なく相続財産の目録を作成し、相続人に交付(民法1011条)。

また、遺言執行者が権限内で「遺言執行者である」ことを示してした行為は、相続人に対して直接効力を生じることが明文化されました(民法1015条・法務省)。

相続人の行為は制限される

遺言執行者がある場合には、相続人は「相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない」(民法1013条)

これに反する相続人の行為は無効です(ただし善意の第三者には対抗できません)。遺言執行者がいることで、遺言の内容が横取りされずに実現される仕組みです。

執行者でなければできない手続き

一部の手続きは、遺言執行者だけが行えます。

  • 遺言による認知:届出をするのは遺言執行者で、就職の日から10日以内に届け出ます(戸籍法64条)。
  • 推定相続人の廃除:遺言執行者が遺言の効力発生後、遅滞なく家庭裁判所に廃除を請求します(民法893条)。

これらが遺言に含まれる場合は、遺言執行者の選任が事実上必要になります。遺言そのものの種類・要件は遺言の基礎ガイド、遺言がない場合は遺産分割協議もご覧ください。


本ページは制度の一般的な解説です。条文番号・手続きの細部は改正により変わることがあり、選任や就任の可否は個別事情によります。実際の手続きの前に、裁判所(家庭裁判所)の案内や、弁護士・司法書士・公証人にご確認ください。

よくある質問

遺言執行者は必ず選任しなければなりませんか?

必須ではありません。ただし遺言で指定がない、または指定された人が就任しない・欠けた場合は、利害関係人の請求で家庭裁判所が選任できます(民法1010条)。遺言による認知や推定相続人の廃除など、遺言執行者でなければできない手続きがある場合は選任が必要です。

遺言執行者が就任すると相続人はどうなりますか?

遺言執行者がいる間、相続人は相続財産の処分その他遺言の執行を妨げる行為ができず、これに反する行為は無効です(民法1013条/善意の第三者には対抗できません)。相続人は遺言執行者から遺言の内容の通知や財産目録の交付を受けます。

遺言執行者の選任を家庭裁判所に申し立てるには?

遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に、利害関係人(相続人、遺言者の債権者、受遺者など)が申し立てます。遺言書1通につき収入印紙800円分などが必要です(裁判所公式)。

遺言執行者は誰がなれますか?

未成年者と破産者はなれませんが、それ以外に特別な資格は不要で、相続人の一人や、弁護士・司法書士などの専門家を指定することもできます。就任するかどうかは指定された人の意思によります。

出典

ご確認のお願い:制度は改定されることがあり、金額・要件・期限は自治体や個別の事情により異なります。掲載内容は出典時点のものです。実際のお手続きの前に、必ず各窓口の最新情報をご確認ください。