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遺言の基礎ガイド|自筆証書・公正証書・法務局保管

最終更新:2026-07-12

遺言は、自分の財産を「誰に・どう遺すか」をあらかじめ決めておく方法です。ただし方式が法律で厳格に決まっており、不備があると無効になることもあります。ここでは法務省・裁判所・日本公証人連合会の情報をもとに、遺言の種類・作り方・検認・遺留分を整理します。

はじめにお読みください。 遺言は形式の不備で無効になったり、内容をめぐって相続人が争ったりすることがあります。確実に残したい場合は、公正証書遺言や法務局の保管制度の利用、専門家(公証人・司法書士・弁護士)への相談をおすすめします。このページは制度の全体像をつかむための一般的な解説です。

1. 遺言の主な種類(早わかり表)

種類作り方検認特徴
自筆証書遺言本文を全部手書き(自書)し押印。費用がかからず手軽必要(※法務局保管なら不要)手軽だが方式不備で無効になりやすい
公正証書遺言公証役場で公証人が作成。証人2人が立会い不要原本を公証役場が保管し、紛失・改ざんの心配がない
秘密証書遺言内容を秘密にしたまま存在を証明必要実務での利用は少なめ

日本公証人連合会は、普通方式の遺言に「① 公正証書遺言、② 自筆証書遺言、③ 秘密証書遺言の3種類があります」としています。

2. 自筆証書遺言の要件

法務省は、自筆証書遺言は「遺言書の全文,日付及び氏名を自書」し押印するとしています。

  • 本文・日付・氏名は手書き(自書)が必須。日付は年月日まで特定して書きます(「◯月吉日」のように日を特定できない書き方は無効とされます)。
  • 2019年(平成31年)1月13日施行の改正で、添付する財産目録は自書でなくてもよくなりました。

「財産目録については自書しなくてもよいことになります…遺言者本人がパソコン等で作成してもよいですし,預貯金について通帳の写しを添付することもできます」。ただし目録の「毎葉(各ページ)…に署名押印をしなければならない」とされています(法務省)。

3. 検認と、検認が不要になる保管制度

検認は、家庭裁判所で遺言書の形状・内容を確認し、偽造・変造を防ぐ手続きです。

裁判所は、検認は「遺言書の偽造・変造を防止するための手続」であり「遺言の有効・無効を判断する手続ではありません」としています。検認を受けても内容が有効になるわけではありません。

検認が不要になるのは次の場合です。

「公正証書による遺言のほか、法務局において保管されている自筆証書遺言…に関して交付される『遺言書情報証明書』は、検認の必要はありません」(裁判所)。

  • 自筆証書遺言書保管制度:2020年(令和2年)7月10日開始。全国の法務局で自筆証書遺言を1件3,900円で保管でき、相続開始後の検認が不要になります(東京法務局)。自筆の手軽さを保ちつつ、紛失・改ざんや検認の手間を避けられます。

4. 公正証書遺言

公証役場で公証人が作成する遺言です。

「証人2名の立会いが義務づけられています…原本が必ず公証役場に保管される…家庭裁判所での検認手続を経る必要がない」(日本公証人連合会)。

方式不備で無効になるおそれが小さく、確実性を重視する場合に向いています(作成手数料がかかります)。

5. 遺言でも奪えない「遺留分」

裁判所は、遺留分を「一定の相続人(遺留分権利者)について,被相続人の財産から法律上取得することが保障されている最低限の取り分」と説明しています。

  • 遺留分がある相続人は配偶者・子・直系尊属で、兄弟姉妹にはありません
  • 民法上、総体的な遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人のときは相続財産の3分の1、それ以外の場合は2分の1とされています。
  • 2019年7月1日施行の改正で、遺留分を侵害された人は侵害額に相当する金銭の支払いを請求できることになりました(遺留分侵害額請求)。

相続全体の流れもあわせて。 遺言がない場合は遺産分割協議で分け方を決めます。相続した不動産は相続登記、税金は相続税もご確認ください。

ご注意(免責)

本ページは遺言の一般的な解説であり、個別の遺言の有効性や最適な方式を判断・保証するものではありません。方式の要件・手数料・遺留分の計算は個別の事情や最新の制度によって異なります。確実に遺言を残したい場合や内容が複雑な場合は、公証人・司法書士・弁護士などの専門家にご相談ください。

よくある質問

遺言にはどんな種類がありますか?

ふだん使われる普通方式には、自分で全文を書く「自筆証書遺言」、公証人が作成する「公正証書遺言」、内容を秘密にしたまま存在を証明する「秘密証書遺言」の3種類があります。実務では自筆証書遺言と公正証書遺言が中心です。

自筆証書遺言はパソコンで作ってよいですか?

本文(全文・日付・氏名)は手書き(自書)で、押印が必要です。ただし2019年(平成31年)1月13日施行の改正により、添付する財産目録はパソコン作成や通帳の写しの添付が可能になりました。その場合は目録の各ページに署名押印が必要です。

遺言書があれば必ず家庭裁判所の検認が必要ですか?

法務局の保管制度を使わない自筆証書遺言と、秘密証書遺言は、原則として検認が必要です。一方、公正証書遺言と、法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言は検認が不要です。

検認を受ければ遺言は有効になりますか?

いいえ。検認は遺言書の形状や内容を確認して偽造・変造を防ぐための手続きで、遺言が有効か無効かを判断するものではありません。検認を受けても内容の有効性が保証されるわけではありません。

遺言ですべての財産を特定の人に渡すと決められますか?

配分は指定できますが、兄弟姉妹以外の相続人(配偶者・子・直系尊属)には「遺留分」という最低限の取り分が法律で保障されています。これを侵害された相続人は、侵害額に相当する金銭の支払いを請求できます。

出典

ご確認のお願い:制度は改定されることがあり、金額・要件・期限は自治体や個別の事情により異なります。掲載内容は出典時点のものです。実際のお手続きの前に、必ず各窓口の最新情報をご確認ください。