相続した空き家の3,000万円特別控除|要件と期限
最終更新:2026-07-13
相続した実家を使う予定がなく、空き家のまま売却する——そんなときに大きいのが「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除」です。売却益(譲渡所得)から最高3,000万円を差し引けるため、税負担が大きく変わります。国税庁・国交省の一次情報で、要件と期限を整理します。
要点: 相続した被相続人の居住用家屋・敷地を要件を満たして売ると、譲渡所得から最高3,000万円(令和6年以降の譲渡で相続人3人以上は2,000万円)を控除。旧耐震・区分所有でない・未利用・売却代金1億円以下などが条件で、相続開始から3年目の年末まで(制度は令和9年末まで)の譲渡が対象。確定申告が必要です。
制度の概要
相続・遺贈で取得した被相続人居住用家屋・敷地等を売却し一定要件を満たすと「譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます」(国税庁 No.3306)
ただし控除額には例外があります。令和6年1月1日以後の譲渡で、その家屋・敷地を取得した「相続人の数が3人以上である場合は2,000万円まで」となります(国税庁 No.3306)。
主な要件
家屋について
- 昭和56年5月31日以前に建築されたこと(いわゆる旧耐震基準)
- 区分所有建物登記がされている建物でないこと(分譲マンション等は対象外)
- 相続の開始の直前において、被相続人以外に居住していた人がいなかったこと(老人ホーム入所等は特定事由として対象になる場合あり)
使い方について
- 相続の時から譲渡の時まで、事業・貸付け・居住の用に供されていたことがないこと(空き家のままであること)
売り方について
- 譲渡の時に一定の耐震基準を満たすこと(または翌年2月15日までに耐震改修を完了)、あるいは家屋を全部取り壊して敷地だけを売ること
- 譲渡対価(売却代金)が1億円以下であること(1億円を超えると一切適用不可)
期限に注意
「相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること」(国税庁 No.3306)
さらに、制度自体の適用期限があります。対象は「平成28年4月1日から令和9年12月31日まで」の譲渡で、これは税制改正で令和5年末から令和9年(2027年)末まで延長されたものです(国交省)。相続から時間が経つと使えなくなる特例なので、売却を考えるなら早めの検討が大切です。
手続き
この特例は自動では適用されません。
「一定の書類を添えて確定申告をすることが必要です」(国税庁 No.3306)
また、相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例など、他の特例との併用ができない場合があります。相続税の全体像は相続税の基礎ガイド、不動産の名義は相続登記もあわせてご確認ください。
本ページは制度の一般的な解説です。老人ホーム入所時の特例(No.3307)、相続人3人以上の2,000万円控除の細目、区分所有の判定、耐震改修の基準など細かな要件は本ページで扱っていません。税制改正で要件・期限が変わることもあります。実際の適用は国税庁の該当ページ(No.3306・No.3307)や税理士・税務署でご確認ください。