死亡退職金・弔慰金と相続税|非課税枠500万円
最終更新:2026-07-13
会社員だった家族が亡くなると、勤務先から死亡退職金や弔慰金が支払われることがあります。これらには税金がかかるのか——ポイントは、死亡退職金には専用の非課税枠があること、弔慰金は一定額まで非課税だが超えると課税されること、です。国税庁の一次情報で整理します。
要点: 死亡退職金(死亡後3年以内に確定)は相続税の対象で、500万円×法定相続人の数の非課税枠あり(生命保険金の非課税枠とは別)。弔慰金は業務上は給与3年分・業務外は半年分まで非課税。
非課税の早見表
| 受け取るお金 | 相続税での扱い |
|---|---|
| 死亡退職金(死亡後3年以内に確定) | みなし相続財産。500万円×法定相続人の数まで非課税(相続人以外が受け取った分は非課税の適用なし) |
| 弔慰金(業務上の死亡) | 普通給与の3年分まで非課税 |
| 弔慰金(業務外の死亡) | 普通給与の半年分(6か月分)まで非課税 |
| 死亡後に支給日が来る給与・賞与 | 死亡退職金ではなく「本来の相続財産」として相続税の対象 |
死亡退職金と相続税
「被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与を受け取る場合で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続又は遺贈により取得したものとみなされて、相続税の課税対象となります。」(国税庁 No.4117)
このように死亡退職金は「みなし相続財産」として相続税の対象ですが、専用の非課税枠があります。
「500万円×法定相続人の数=非課税限度額」(国税庁 No.4117)
相続人が受け取った退職手当金等の合計がこの額以下なら課税されません。ただし、
「相続人以外の人が取得した退職手当金等には、非課税の適用はありません。」(国税庁 No.4117)
この非課税枠は、生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)とは別に設けられた規定です。
弔慰金の非課税と、その線引き
弔慰金・花輪代・葬祭料などは、通常は相続税の対象になりません(国税庁 No.4120)。ただし高額な場合には線引きがあります。
- 業務上の死亡:死亡当時の普通給与の3年分まで非課税
- 業務外の死亡:死亡当時の普通給与の半年分(6か月分)まで非課税
「その金額を超える部分に相当する金額は、退職手当金等として相続税の対象となります。」(国税庁 No.4120)
つまり、非課税の範囲を超える弔慰金や、名目は弔慰金でも実質が退職金と認められる部分は、死亡退職金として扱われ、上記の「500万円×法定相続人の数」の枠で判定されます。なお「普通給与」とは、俸給・給料・賃金・扶養手当・勤務地手当などの合計額を指します(国税庁 No.4120)。
「死亡後に支給される給与」は別扱い
死亡後に支給日が来る給与・賞与は、死亡退職金とは区分が異なります。
「死亡した者に係る給与等で、その死亡後に支給期の到来するものについては、本来の相続財産として、相続税の課税対象となる」(国税庁 質疑応答事例)
死亡退職金(みなし相続財産)ではなく「本来の相続財産」として、他の遺産と同様に相続税の対象になります。
全体像の中で
死亡退職金・弔慰金・生命保険金は、いずれも相続税の計算に関わります。まず遺産の全体像と相続税の基礎控除を押さえたうえで、それぞれの非課税枠を当てはめると整理しやすくなります。
本ページは制度の一般的な解説です。非課税枠の併用や実際の課税額、弔慰金の線引きは個別の事情で異なります。実際の申告の前に、国税庁の該当ページ、または税理士・税務署でご確認ください。