株式・投資信託など証券の相続|口座の移管手続き
最終更新:2026-07-13
故人が証券会社で株式や投資信託を持っていた場合、預貯金とは少し違う手続きになります。ポイントは、現金でそのまま受け取れるわけではなく、相続人の口座へ「移す」のが原則という点です。日本証券業協会・金融庁・国税庁・証券会社の一次情報で整理します。
要点: 証券は原則、被相続人の口座から相続人名義の口座へ移管(振替)します。相続人がその証券会社に口座を持っていなければ新規開設が必要。どの証券会社か不明ならほふりの開示請求で確認できます。
現金で直接は受け取れない(移管が原則)
「原則できません。有価証券を売却したい方は相続人様名義の口座への移管手続きが完了後、相続人様名義の口座にて、売却のお手続きが可能です。」(楽天証券)
つまり、まず相続人の口座へ株式・投資信託を移し、売りたい場合はそのうえで相続人自身が売却する、という順序です。
相続人の口座がなければ新規開設
「被相続人の口座とは別に、相続を受けるための相続人名義の振替先口座が必要です」(野村證券)
大和証券も「口座開設をしていただく必要があります」としています。受け取り先となる口座を用意することが前提です。
必要書類(実務例)
証券会社ごとに細部は異なりますが、概ね次のような書類です。
- 相続手続依頼書(各社所定)
- 戸籍謄本等(被相続人の出生から死亡まで)/または法定相続情報一覧図
- 相続人(全員または受け取る方)の印鑑証明書(発行6か月以内の原本)
- 遺産分割協議書または遺言書 など
戸籍や法定相続情報一覧図はコピー提出が可能な会社もあります(大和証券)。
どこに口座があるか分からないとき(ほふり)
「ご本人又は亡くなった方の株式等に係る口座が開設されている証券会社を確認したい場合、証券保管振替機構において、有料で照会できるサービスがございます。」(日本証券業協会)
証券保管振替機構(ほふり)の開示請求で、口座のある証券会社・信託銀行を確認できます。費用は1件6,050円(税込)、法定相続情報一覧図を使うと4,950円(税込)、結果判明まで1か月ほどが目安です(費用は改定される場合があります)。
古い株式(タンス株・特別口座)
「株券電子化の実施までにほふりに預託せず、株券がお手元にある方は、株主名簿上の名義人の名前で、発行会社により『特別口座』が開設され、権利は保全されています。」「特別口座では株式の売却・担保設定等の取引はできません」(金融庁)
このような株式の相続では、名義変更のために「相続を証する書面」の提出が必要です(金融庁)。証券会社の口座とは別の窓口(信託銀行等)での手続きになることがあります。
相続税評価(上場株式)
「上場株式は、その株式が上場されている金融商品取引所が公表する課税時期の最終価格によって評価します。」(国税庁)
ただし、
「課税時期の最終価格が、次の3つの価額のうち最も低い価額を超える場合は、その最も低い価額により評価します。」(国税庁)
とされ、死亡日終値と死亡月・前月・前々月それぞれの月平均額を比べ、最も低い価額で評価します。相続税の全体像は相続税の基礎ガイドもご覧ください。
本ページは一般的な解説です。必要書類・移管の手順・手数料は証券会社や資産の内容により異なり、投資信託の相続税評価など本ページで扱っていない論点もあります。実際の手続きの前に、口座のある証券会社・信託銀行、税務は税理士・税務署でご確認ください。