自動車・バイクの相続|名義変更の窓口と書類
最終更新:2026-07-13
故人が自動車やバイクを所有していた場合、名義変更(移転登録)が必要になります。やっかいなのは、車種の区分によって窓口も書類も違うこと。普通車・軽自動車・バイク(排気量別)で分けて、国交省・軽自動車検査協会・法務省の一次情報にもとづき整理します。
要点: 窓口は「普通自動車=運輸支局/軽自動車=軽自動車検査協会/原付(125cc以下)=市区町村」。普通車は15日以内の移転登録義務があります。相続放棄を考えているなら、車を処分する前に要注意(放棄できなくなることがあります)。
早わかり(区分ごとの窓口)
| 区分 | 窓口 | メモ |
|---|---|---|
| 普通自動車(登録車) | 運輸支局 | 15日以内の移転登録義務。全相続人の印鑑証明等 |
| 軽自動車 | 軽自動車検査協会 | 遺産分割協議書は不要。戸籍謄本等でよい |
| 二輪 126〜250cc(軽二輪) | 運輸支局 | 車検は不要だが名義変更は運輸支局 |
| 二輪 251cc以上(小型二輪) | 運輸支局 | 車検証を用いた手続き |
| 原付 125cc以下 | 市区町村役場 | 標識を交付した市区町村。書類は自治体差あり |
普通自動車(登録自動車)
登録自動車は、所有者に変更があったとき移転登録の申請義務があります。
「その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う移転登録の申請をしなければならない」(道路運送車両法)
相続による移転登録は運輸支局が窓口で、一般に「全相続人の印鑑証明」「被相続人の戸籍謄本」「相続関係を明確にする書類」などが求められます。
なお、相続する車の価格が低い場合には簡便な方法があります。
「遺産分割協議成立申立書 申請人である相続人 相続する自動車 価格100万円以下であることを確認できる査定証又〔は〕査定価格〔が〕確認できる資料〔を〕添付した場合〔に〕使用可能」(関東運輸局)
つまり、査定価格100万円以下なら、全員の実印を要する遺産分割協議書に代えて「遺産分割協議成立申立書」で申請できます。
軽自動車
軽自動車は窓口も書類も普通車より簡素です。
「新しい使用者がお車をお使いになる場所(使用の本拠の位置)を管轄する事務所・支所・分室」(軽自動車検査協会)
「所有者の方がお亡くなりになられた事実と新しい所有者の方が相続人(親族等)であることが確認できる『戸籍謄本等』または『法務局が交付する法定相続情報一覧図』」(軽自動車検査協会)
このとおり、普通車のような遺産分割協議書は不要で、戸籍謄本等または法定相続情報一覧図(コピー可)で足ります。
バイク(排気量で窓口が変わる)
二輪車は排気量で担当が分かれます。大阪市の案内でも、原付・軽二輪・小型二輪で参照ページが異なることが示されています。
- 原付(125cc以下):ナンバーを交付した市区町村役場。相続人が新所有者になる場合、軽自動車税の申告書と、死亡・相続関係を証明できる戸籍謄本等の提出で足りる例が多い(自治体差あり)。
- 軽二輪(126〜250cc):車検は不要だが、名義変更は運輸支局。
- 小型二輪(251cc以上):車検が必要で、運輸支局での手続き。
相続放棄を考えているときの注意
相続放棄は、自己のために相続があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。ここで気をつけたいのが、車を先に処分してしまうと放棄できなくなることです。
「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。(略)」は単純承認をしたものとみなす(民法第921条・法定単純承認)
名義変更・売却・廃車は「処分」にあたり得ます。相続放棄を検討している間は、相続放棄の申述を済ませる前に車を動かさないのが安全です。売却・廃車をするにしても、まずは相続人名義への変更が前提になります。
本ページは制度の一般的な解説です。必要書類・窓口の細部は運輸支局・軽自動車検査協会・市区町村によって異なる場合があります(特に原付は自治体差があります)。実際の手続きの前に、管轄の窓口の最新の案内をご確認ください。