死別ひとり親の児童扶養手当|遺族年金との併給調整
最終更新:2026-07-18
配偶者を亡くしてひとりで子どもを育てることになったとき、遺族年金とあわせて確認したいのが児童扶養手当です。「離婚のひとり親向けの制度」と思われがちですが、死別も対象です。しかも現在は、遺族年金を受けていても年金額が手当額より低ければ差額を受給できる仕組みがあります。こども家庭庁・東京都の一次情報で整理します。
要点: 支給対象には「父又は母が死亡した児童」が明記されています。遺族年金との関係は、かつての「年金受給者は対象外」から改善され、公的年金等の額が手当額より低い場合は差額分を受給できます。申請先はお住まいの市区町村です。
制度の早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 死別ひとり親 | 対象になり得る(「父又は母が死亡した児童」が要件に明記) |
| 手当額(1人目) | 全部支給 月48,050円/一部支給 月48,040円〜11,340円(東京都・令和8年4月現在) |
| 2人目以降の加算 | 1人につき 全部支給 11,350円/一部支給 11,340円〜5,680円 |
| 遺族年金との関係 | 年金額が手当額より低ければ差額を受給できる |
| 所得制限 | 本人と同居の扶養義務者の前年所得で判定(令和6年11月から限度額引上げ) |
| 申請先 | お住まいの市区町村の窓口(毎年8月に現況届) |
死別のひとり親も対象(要件の確認)
児童扶養手当の支給対象となる児童の要件には、離婚などと並んで、
「②父又は母が死亡した子ども」(こども家庭庁)
が明記されています。東京都の案内でも「父又は母が死亡した児童」が対象に含まれています。つまり、配偶者と死別したひとり親家庭も、所得などの要件を満たせば申請できます。
手当の月額(令和8年度・東京都の案内)
東京都の案内(令和8年4月現在)による月額は次のとおりです。
| 区分 | 全部支給 | 一部支給(所得に応じて) |
|---|---|---|
| 子ども1人目 | 48,050円 | 48,040円〜11,340円 |
| 2人目以降の加算(1人につき) | 11,350円 | 11,340円〜5,680円 |
なお、こども家庭庁の案内のとおり、令和6年11月分から第3子以降の加算額が引き上げられ、第2子の加算額と同額になりました。
「第3子以降の加算額が引き上げられ、第2子の加算額と同額になります。」(こども家庭庁)
金額は年度により改定されるため、申請時は最新の額をご確認ください。
遺族年金との併給調整——「差額」を受け取れる
死別ひとり親にとって最重要のポイントです。遺族年金などの公的年金等を受け取れる場合、児童扶養手当は調整されますが、ゼロになるとは限りません。
「その額が児童扶養手当の額より低い場合には、差額分の手当が受給できる」(こども家庭庁)
対象となる「公的年金等」には遺族年金(ほかに老齢年金・障害年金・労災年金・遺族補償など)が含まれます。比較のうえで、
「年金等の月額が児童扶養手当の月額より低い場合、その差額を受給できます」(こども家庭庁)
という計算です。ただし、こども家庭庁も、
「児童が遺族年金などを受給できる場合には、差額の計算が複雑になります」(こども家庭庁)
としており、正確な差額はお住まいの市区町村窓口での確認が案内されています。「遺族年金をもらっているから対象外」と思い込んで申請しないのが、いちばんもったいないパターンです。
所得制限
手当には所得制限があります。判定の対象は請求者本人だけではありません。
「請求者及び請求者と生計を同じくする扶養義務者等の前年の所得が」(東京都)
限度額以上の場合、全部または一部が支給停止になります。令和6年11月分からは限度額が引き上げられ、こども家庭庁の案内では、扶養親族等1人の場合の収入ベースの目安は全部支給が160万円→190万円、一部支給が365万円→385万円になりました。同居の親(祖父母)の所得も判定に入るため、実家に戻る場合は影響を確認しましょう。
申請の流れ
- お住まいの市区町村の窓口で認定請求をします(東京都「児童扶養手当の手続きは、お住まいの区市町村の窓口で行います。」)。
- 必要書類は、認定請求書のほか「戸籍謄本など支給要件に該当する事実が分かる書類」、住民票、所得の状況が分かる書類など(該当要件・自治体により異なります)。
- 認定されると手当は年6回に分けて支払われます(平成31年11月分から年3回→年6回に変更)。
- 受給開始後は毎年8月に「現況届」を提出し、世帯・所得の状況の確認を受けます。