準確定申告ガイド|亡くなった方の所得税を4か月以内に
最終更新:2026-07-12
年の途中で家族が亡くなると、その年の1月1日から亡くなった日までの所得について、亡くなった方に代わって相続人が所得税の確定申告をする必要が生じることがあります。これが「準確定申告」です。期限が短く(4か月)、しかも還付を受ける場合でも申告が必要なので、早めの確認が大切です。ここでは国税庁の情報をもとに整理します。
はじめにお読みください。 準確定申告が必要かどうかは、亡くなった方がそもそも確定申告を要する人だったか(事業・不動産所得、給与2,000万円超、年金や複数所得など)で決まります。逆に、源泉徴収された税金が戻る「還付申告」ができる場合もあります。判断に迷うときは税務署・税理士にご相談ください。金額基準は改定されることがあります。
1. 準確定申告とは(早わかり表)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何を申告する | 亡くなった方のその年1月1日〜死亡日までに確定した所得と税額 |
| 誰が申告する | 相続人・包括受遺者(相続人等)。複数なら原則連署で1通 |
| 期限 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内(申告と納税の両方) |
| 提出先 | 被相続人の死亡当時の納税地(住所地等)の税務署 |
| 必要な添付 | 準確定申告書の付表(相続人の氏名・住所・続柄等を記入) |
国税庁は「年の中途で死亡した人の場合は、相続人が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額および税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。これを準確定申告といいます」と説明しています。
2. どんな場合に必要か
準確定申告が必要かは、亡くなった方がそもそも確定申告を要する人だったかで判断します。代表的な例:
- 事業所得・不動産所得があった(自営業・大家さんなど)
- 給与の年間収入が2,000万円を超える、または給与・退職以外の所得が20万円を超える
- 公的年金等の収入が400万円超、または年金以外の所得が20万円超などの場合
- 逆に、医療費控除や各種控除、源泉徴収税額の還付を受けられる場合(この場合は「還付申告」として提出します)
還付でも申告が必要。 源泉徴収された税金が戻るケースでも、申告しなければ還付は受けられません。年金や給与から税が引かれていた方は、還付になる可能性がないか確認しましょう。
3. 所得・控除の計算期間(1月1日〜死亡日)
準確定申告では、その年の1月1日から死亡日までに確定した所得で計算します。控除の対象期間にも注意が必要です。
医療費控除の落とし穴。 準確定申告の医療費控除の対象は「死亡の日までに被相続人本人が支払った医療費」のみです。国税庁も「死亡後に相続人等が支払ったものを被相続人の準確定申告において医療費控除の対象に含めることはできません」としています。死亡後に相続人が支払った入院費などは、代わりに相続税の債務控除の対象になり得ます。
4. 提出のしかた・提出先
- 相続人等が準確定申告書の付表(各相続人の氏名・住所・被相続人との続柄などを記入)を添えて、被相続人の死亡当時の納税地の税務署へ提出します。
- 相続人が複数いる場合は連署で1通が原則。ただし、他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出することもでき、その場合は提出した人が他の相続人に申告内容を通知します。
- e-Taxでも準確定申告に対応しています。
5. 消費税の準確定申告は別枠
亡くなった方が個人事業者で消費税の課税事業者だった場合、消費税にも準確定申告があります。
国税庁は「個人事業者が課税期間の中途において死亡した場合…相続人は相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に確定申告書の提出および納付をしなければなりません」としています。所得税とは別の手続きなので見落とさないようにしましょう。
ご注意(免責)
本ページは準確定申告の一般的な解説であり、個別の申告義務・税額を保証するものではありません。申告が必要かどうか、控除の適用、加算税・延滞税などは個別の事情や最新の法令によって異なります。数値基準(給与2,000万円超・年金400万円など)は改定されることがあります。実際の判断・お手続きは、所轄の税務署または税理士にご確認ください。相続税との関係(死亡後の高額療養費の未収金など)もあわせてご検討ください。